蓄電池の説明で訪問すると、
どのメーカーの蓄電池であれば停電時にエコキュートが使えるの?
と質問を受けます。
結論、メーカー云々ではなく
蓄電池の停電時自立出力次第
で使えるか使えないかが決まります。
蓄電池は
■特定負荷型
■全負荷型
の2種類存在しますが、
エコキュートが使えるのは全負荷型のみ
であるため注意が必要です。
今回は蓄電池を使ったエコキュートの停電時使用について解説していきます。
じゃ、レッツゴー!
目次
停電時にエコキュートが使えるのは全負荷型の蓄電池のみ
停電時にエコキュートを使用する場合、特定負荷型ではなく
全負荷型の蓄電池
である必要があります。
理由は特定負荷型だと
■基本的に100Vしか使用できない
■1つの負荷しか選択ができない
ためです。
エコキュートは
200Vコンセント
です。
全負荷型の蓄電池であれば200Vも使用可能
ですので問題ありません。
しかし、全負荷型であっても次の単元で伝える停電時自立出力が低い場合はエコキュートが使用できないため注意してください。
停電が起こった際に何の家電製品を使いたいかを事前に調べておくと話が早いです。
停電時自立出力は蓄電池カタログのパワコン欄に記載がある
停電時自立出力は蓄電池カタログの
パワコン欄
に記載があります。大体カタログの後ろの方に記載があります。kVA=kWというイメージで構いません。
停電時自立出力が高い蓄電池メーカーは
■住友電工(パワーデポ):6.0kW
■ニチコン&長府工産トライブリッド蓄電池/カナディアンソーラー/ジンコソーラー:5.9kW
■シャープ/ダイヤゼブラ電機:5.5kW
とたくさんあります。
メーカーによって細かな違いがあります。
停電時に困るものランキング
上記はソーラーパートナーズという比較サイトの記事から出典したランキングです。
上位5位のキーワードを抜き出すと
■1位:冷蔵庫
■2位:照明
■3位:調理器具
■4位:空調
■5位:トイレ
となっています。
それぞれの使用電力をざっくり下記とします。
■1位:冷蔵庫→約500w
■2位:照明→約300w
■3位:調理器具→約1500w(IHクッキングヒーターを想定)
■4位:空調→約1500w(エアコンを想定)
■5位:トイレ→約100w(電気便座を想定)
例えば、停電時に1位~3位の家電製品を使うと想定した場合、500w+300w+1500w=2300wを
自立出力で賄う
必要があります。
京セラ蓄電池(先ほどの単元の写真参照)の場合は、自立出力が2.0kVA(2000w)です。この場合、2300wを賄うことができません。
反対にシャープ蓄電池(先ほどの単元の写真参照)の場合は、自立出力が5.5kVA(5500w)であるため使用可能です。
上記のようにいざ使いたい家電製品が検討している蓄電池で使えるのかどうかを判断する必要があります。
正確な数字に関しては各家電製品の電気使用量を確認してください。
エコキュートの使用電力は約1000~2000w
エコキュートの使用電力はタンク容量や使用環境によっても異なりますが、
■冬場:約2,000w
■冬場以外の季節:約1,000w
と言われています。
上記は深夜帯に沸かしているタイミングの消費電力です。
日中保温しているときに関しては
約300w前後の消費量
となります。
冬場、先ほどの単元で出てきた1位~3位の家電製品と一緒にエコキュートでお湯を沸かす場合、2300w+2000w=4300wが必要となります。
■シャープ:5.5kW
■京セラ:2.0kW
■住友電工:6.0kW
■オムロン:4.0kW(ハイブリッドの場合)
■スマートスター:3.0kW
■ダイヤゼブラ電機:5.5kW
■ファーウェイ:4.95kW
上記は私が働いている会社で取り扱っている蓄電池メーカーです。
エコキュートがなければ合計2300wとなりますので、京セラ以外の6メーカーで対応可能です。
しかし、4300w必要な場合、4メーカーになり選択肢が狭まります。
停電時自立出力メインで蓄電池メーカーの選定をするのであれば特に問題ありませんが、メーカーの好き嫌いから入ると狭まった選択肢から選ぶ必要があります。
そのため、難易度が高まります。
三菱というメーカーのエコキュートの場合、標準型が370L/460L/550Lの3種類に分かれています。狭い空間にも入る薄型だと370L/430Lの2種類に分かれています。容量が大きくなれば使用電力が大きくなりますので注意が必要です。(本文は370Lの想定です)
お湯を「使う」には問題ないが「作る」には問題がある
停電時に必要な家電製品を使いつつエコキュートに溜まっているお湯を使う場合は、
それぞれの家電製品の消費電力+約300w前後
で計算をすれば大きく外れることはありません。
しかし、溜まっているお湯を使うのではなく、
お湯を作る(沸かす)際
には注意が必要です。
メーカーにもよりますが、通常エコキュートは
深夜帯の7~8時間を使って
お湯を沸かします。
先ほどの単元でもお伝えしましたが、冬場にお湯を沸かす場合は約2000w必要です。
1時間あたり2,000w使用するということは、8時間稼働させると
2,000w×8時間=16,000w必要
という計算になります。
こちらのページにも記載をしていますが、実際に使える電気は
定格容量の数字を参考にする必要がある
ため、停電時にお湯を沸かすと想定した場合、
■停電時自立出力:2,000w(2.0kVA)以上
■定格出力:16.0kW以上
である必要があります。
定格出力が16.0kWの蓄電池は今現在市場に出回っていませんので、停電時に通常時と同じ温度でお湯を沸かすことは不可能です。
■設定温度を下げる
■V2Hを使って電気自動車からの放電を使う
といった方法であれば必ずしも不可能というわけではありません。
使い方には十分注意してください。
メーカーによって違いはありますが、定格容量の数値に1.0kWhを足すと容量の数値になります。大体の目安にしてもらえると嬉しいです。
最後にひとこと
今回は「蓄電池を使ったエコキュートの停電時使用」について解説しました。
より詳しい説明を希望される方は優良店が多い
に登録されることをおすすめします。
価格比較サイトは入口が太陽光メインで蓄電池についてはオプションのサイトもあれば、
蓄電池メイン
で対応しているサイトもあります。
蓄電池の検討であれば蓄電池メインの比較サイト(エコ×エネの相談窓口)が断然おすすめです。
太陽光を取り扱っている販売店であれば大体エコキュートも取り扱いがあります。