先日
京セラ製蓄電池が進化する
と商社から案内がありました。
具体的には
①現行の単機能型蓄電池がモデルチェンジ
②ハイブリッド型がラインナップに登場
③サイクル数が12,000から20,000にアップ
の計3点が主なトピックです。市場に出回るのは2024年4月からです。
今回は京セラの蓄電池について解説していきます。
じゃ、レッツゴー!
目次
現在市場に出回っている蓄電池
現在市場に出回っている京セラ製蓄電池はエネレッツァという名前の
単機能型蓄電池
です。一部の販売店では京セラのロゴが入ったファーウェイ製ハイブリッド蓄電池を販売しているようですが、あれはファーウェイのOEM商品のため、
京セラ製造ではない
です。
現行のエネレッツァは
■1台=5.0kWh(実効容量4.0kWh)
■2台=10.0kWh(実効容量8.1kWh)
■3台=15.0kWh(実効容量12.1kWh)
の3種類で
サイクル数は12,000
です。1日1サイクル回す想定だと、12,000サイクルは約32.8年計算となります。
非常時安心設定を30%に設定している場合、常に使えるのは残りの70%となります。この場合、1日0.7サイクル扱いになりますので、約32.8年以上もつ計算になります。
意外と思われることが多いですが、
京セラ製蓄電池は100%国内製造
です。エネレッツァカタログにも記載がありますが、滋賀県にある野州工場で製造しています。
ちなみに余談ですが、
■ダイヤゼブラ電気製蓄電池(アイビス7):栃木県大田原市
■オムロン製蓄電池:熊本県阿蘇市
で製造されています。海外製蓄電池は信用ならない!という方でしたら、京セラ・ダイヤゼブラ電気・オムロンの3社がおすすめです。
エネレッツァは半固体クレイ型蓄電池です。
トピック① 現行の単機能型蓄電池がモデルチェンジ
先ほど現行のエネレッツァの容量について触れました。今回のモデルチェンジで変化するのは性能のみで、見た目はそのままです。
新たに登場するエネレッツァは
■1台=5.5kWh(実効容量4.7kWh)
■2台=11.0kWh(実効容量9.4kWh)
■3台=16.5kWh(実効容量14.1kWh)
の3種類です。3パターンであることに関しては変わりないですが、定格容量と実効容量が上がっています。旧型エネレッツァと比べると
■定格容量:10%アップ
■実効容量:16~17%アップ
といった変化があります。
旧型エネレッツァは蓄電池本体が1台でも3台でも定格出力は
■連系:3.0kW
■自立:2.0kW
でした。しかし、新型エネレッツァは
蓄電池の台数によって定格出力が変化
します。
■1台=連系:1.5kW・自立:2.0kW
■2台=連系:3.0kW・自立:4.0kW
■3台=連系:4.5kW・自立:4.5kW
現在の生活様式だと停電時すぐに2.0kWに到達してしまうということで、旧型エネレッツァの
使い勝手が悪い
という声が全国的に挙がっていました。
この意見を反映したのか、新型エネレッツァは台数によって定格出力が変化する仕様になっています。
1台(5.5kW)の場合は停電時自立出力が2.0kWのため、旧型エネレッツァ同様、全負荷にするには心配です。しかし、2台(11.0kW)であれば停電時自立出力が4.0kWに変化するため、オール電化住宅であってもブレーカーが落ちにくくなります。
ちなみに停電時自立出力が4.0kWは
オムロン製蓄電池と同じ
です。
容量が5~7kWで停電時自立出力重視であれば、シャープ6.5kW・オムロン(長州産業)6.5kW・カナディアンソーラー6.6kW・リミックスポイント5.8kW・ダイヤゼブラ電気7.04kW・ニチコン4.9kW・ジンコソーラー6.1kW・ファーウェイ5.0kWと選択肢が多めです。
トピック② ハイブリッド型がラインナップに登場
単機能型蓄電池の名前はエネレッツァです。今回新たに登場するハイブリッド型蓄電池に関しては後ろにプラスがついた
エネレッツァプラス
というのが正式名称です。
単機能型蓄電池を全負荷にする場合、パワーコンディショナとは別にトランスユニットという機械を設置する必要がありました。
トランスユニットはパワーコンディショナ同様、横幅495×奥行197×高さ554というサイズです。
そのため、お家によっては設置スペースの問題が生じました。エネレッツアプラスに関しては
トランユニットが必要なくなり
ハイブリッドパワーコンディショナ1台でよくなったため省スペース化になります。ハイブリッドパワーコンディショナの定格出力は
■連系:5.9kW
■自立:6.0kW
となっています。先ほどの単元で蓄電池台数によって定格出力が変化するとお伝えしたのは単機能型蓄電池の場合です。
旧型エネレッツァは上記写真にも記載がある
■グリーンモード:蓄電池に溜める電気は主に太陽光からの充電
■売電モード:蓄電池に溜める電気は主に深夜電力
の2モードが主でした。
設置後にハウスマイルネットワークという管理画面からおまかせ運転モードをオンすると、AI機能に近い動きをしてくれるモードも出現しました。
しかし、エネレッツァプラスには
おまかせ運転が無い
です。モードは
■売電モード:余剰電力は売電、夜間充電あり
■グリーンモード:余剰電力を充電、夜間充電あり
■フルグリーンモード:余剰電力を充電、夜間充電なし
の3種類となります。完全に電気の自給自足を行いたい場合は
フルグリーンモードが対象
です。
市場に出たばかりのタイミングでは販売店も単機能型と話を混同する可能性があります。数か月時間を置いてからの検討をおすすめします。
トピック③ サイクル数が12,000から20,000にアップ
今回モデルチェンジする単機能型蓄電池も、新たに登場するハイブリッド型蓄電池も
サイクル数は20,000
と記載があります。
今日現在【2024.2.19現在】で、サイクル数が高い蓄電池を出しているメーカーは
■シャープ
■京セラ
■リミックスポイント
■ダイヤゼブラ電気
■ジンコソーラー
■ファーウェイ
の6社あり、すべて12,000サイクルと謳われています。
この中で京セラが8,000サイクルも多い20,000サイクルと発表したため、すでに蓄電池市場は賑わっています。
1日1サイクル計算であれば12,000サイクルで約32.8年もつ計算となります。それが20,000サイクルになると
約54.7年もつ計算
になります。
よく質問を受けるのですが、上記のサイクル数から導き出せる寿命は電気を溜める蓄電池バッテリーの話です。
決して
約54.7年間メンテナンスがいらないわけではない
です。
ハイブリッド型蓄電池はハイブリッドパワーコンディショナ(以下、ハイブリッドパワコン)と常に行動を共にしているため、ハイブリッドパワコンが停止をしたら動かなくなります。
ハイブリッドに限らず、通常パワコンの交換タイミングは
約13年前後に1回
です。現在はどこのメーカーも機器保証15年がついているので、1回目の交換に関しては無償で対応できる可能性があります。
機器の延長保証を行っているメーカーもあるので詳しくは販売店に確認してください。
最後にひとこと
今回は「京セラ製蓄電池の新商品」について解説しました。
より詳しい説明を希望される方は優良店が多い
に登録されることをおすすめします。
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蓄電池メイン
で対応しているサイトもあります。
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