太陽光パネルの設置レイアウトを提示すると、
北面の屋根が広いからこちらにも載せて欲しい
という意見が出ることがあります。
環境によっては設置可能ですが、
■方位による発電量の低下
■反射光による光害の影響
があるので基本的におすすめできません。
しかし、北面が
■山
■ガケ
といった影響が出るものが何もない場合については設置可能です。
今回は北面設置について解説していきます。
じゃ、レッツゴー!
屋根の種類について
北面設置の解説に入る前に屋根の種類について解説します。
上記の写真のように
■東西
■南北
の2面に屋根が分かれている屋根を
切妻(きりつま)
と呼びます。
2面ではなく1面がどちらかの方向に流れている屋根を
片流れ(かたながれ)
と呼びます。
2面ではなく東西南北の4面、あるいは複数面に向いている屋根を
寄棟(よせむね)
と呼びます。
ここまでの内容を踏まえると
■切妻:南北に向いている場合
■片流れ:北に流れている場合
■寄棟:構造的に北面が存在している場合
には注意が必要です。
東西切妻でも航空写真で見た場合に西面あるいは東面が北方位に触れている場合があります。この場合は方角的に設置不可になる場合があるので注意してください。
北面設置は発電量が著しく低下する
上記の図はシャープの太陽光カタログに掲載されています。
西面・南面・東面にはパネルが載っていますが、北面に関しては
設置はおやめください
と書かれています。
南北切妻の北面、寄棟屋根の北面に設置をしようと思えば設置できます。
しかし、南面の発電量を100%と仮定した場合、
北面の発電量は66%
となります。
数字だけ見ると、
南面と比べて約4割発電量が下がるだけで発電するじゃないか
と感じますが、上記の図は
屋根の傾斜角を30度
と想定した場合の発電量です。
お家によって屋根の傾斜角が異なりますので発電量は上下します。
ちなみに屋根の角度は
■立面図(家を東西南北から見た図)
■矩計図(屋根の構造について記載した図)
という図面資料のどちらかに記載があります。
上記のような逆三角形が書かれていれば勾配が分かります。ちなみに上記は6寸勾配(約30度)を指しています。
屋根角度が20度前後であれば北面の発電量は南面と比べて約4割も下がりません。ただ角度が緩くても屋根がどちらの方位に向いているのかはお家によって異なるので確認をしてください。
光害(こうがい)の影響にも注意
一般的に「こうがい」と聞くと、
公害
という漢字をイメージされる方が多いです。
太陽光には
光害
という言葉があります。
北面に太陽光を設置すると、単純に発電量が下がるだけではなく、
近隣に迷惑が掛かる可能性
も十分にあり得ます。
特に
地形的に坂を上がっていくタイプの立地
は細心の注意を払う必要があります。
東西南北に屋根面が向いている寄棟の場合、南を基準にして
■西に45度振れていると東面が北面扱い
■東に45度振れていると西面が北面扱い
になる場合があるため、設置面に関しては販売店とよく話し合ってください。
基本的に太陽は東から西に動くので、検討される際はgooglemap等で北を真上に設定した状態で屋根を確認すると設置面が分かりやすいです。
屋根勾配が緩ければ設置可能
屋根勾配が約20度(4寸)以上だと屋根面が急になってくるので、反射光の被害も拡大しやすくなります。
しかし、水切り勾配程度の
約5度(1寸)であれば北面設置が可能
です。
太陽の光がどう跳ね返るのかという話になるのですが、傾斜がきついと下方面に向かって光が反射します。
屋根がほぼ真上を向いていると真上に光が反射する
ため、周囲に影響を及ぼすことはほぼありません。
最近では北片流れの屋根が増えていますが、太陽光設置を諦めるまでには至りませんのでご安心ください。
屋根がほぼ真上を向いていれば発電量もそこまで下がらないので、光熱費の削減が見込めます。
最後にひとこと
今回は「太陽光発電システムの北面設置」に関して解説しました。
より詳しい説明を希望される方は優良店が多い
に登録されることをおすすめします。
嵐のように3~5社から一斉に連絡が来るタイナビ/グリエネとは異なり
専任のアドバイザーがついて情報を集約してくれる
サイトもあります。
各販売店との対応が煩わしい方であれば専任のアドバイザーがつく比較サイト(ソーラーパートナーズ)が断然おすすめです。