【実際に使えるのは「容量」ではなく「定格容量」】蓄電池検討の際は定格容量をよく確認しよう

蓄電池を検討している方から

容量と定格容量の違いは何?

と質問がありました。

■容量:蓄電池に入る電気の量
■定格容量:実際に使える電気の量

を表しています。

経済産業省の調べによるとオール電化のお家では1日平均10kWhを使用するようです。

1日10kWhを使用する場合、定格容量が10kWhの蓄電池を選択する必要があるため、容量は12kWh前後となります。

蓄電池を導入したが容量が足りなかった…

という事態を避けるために、今回は容量と定格容量について解説していきます。

まさひこ

じゃ、レッツゴー!

容量は蓄電池に入る電気の量

蓄電池のカタログを見ると、

■容量
■定格容量(実効容量)

という2つのワードが出てきます。

まず、シンプルな容量の方から解説します。

こちらは

蓄電池という体の中にどれくらいの電気が入るのかを示した方

です。

蓄電池5.0kWhの体には

5.0kWh分の電気しか入らない

ため、5.0kWhよりも多く太陽光パネルが発電した場合は売電に回るイメージとなります。

こういった話をすると、

太陽光が5.0kWなのであれば蓄電池も5.0kWhで十分なのでは?

という質問が出ます。

太陽光で発電した電気は自家消費に回り、余った部分の電気が蓄電池に溜まります。

電気の使い方によっては

■太陽光:5.0kW
■蓄電池:3.0kWh

でも足りる場合があります。

反対にこれでは停電時に何も使えないとのことで、太陽光5.0kW、蓄電池10.0kWhという選択肢も生まれます。

まさひこ

ごっちゃになってしまっていると、導入した後に食い違いが起きるので要注意です。

定格容量は実際に電気を使える量

定格容量は

実際に使える電気の量を示した方

です。

先程、蓄電池5.0kWhの体には5.0kWh分の電気しか入らないとお伝えしました。

しかし、5.0kWhの電気が入っているからと言って

5.0kWhの電気を使えるわけではない

というカラクリがあります。

理由は

蓄電池から家に電気を押し出す際に力を使うから

です。

実際に流れている電圧とは異なりますが、上記の図では家から蓄電池を100V、蓄電池から家を105Vと表記しています。

太陽光と蓄電池を導入した際の電気の流れはこちらのページで解説していますが、家の中から蓄電池に流れる電圧よりも蓄電池から家の中に流れる電圧の方を高くしないと電気が逆流しません。

電気を強く押し出す際にどうしても力を消費する

ため、これが溜めた電気をすべて使えない理由となります。

一般的に

容量よりも定格容量の数字の方が低い

です。

ここで有名どころの蓄電池を紹介します。

■シャープの場合
容量:6.5kWh、9.5kWh、13.0kWh
定格容量:6.3kWh、9.3kWh、12.0kWh

■京セラの場合
容量:5.0kWh、10.0kWh、15.0kWh
定格容量:4.0kWh、8.0kWh、12.0kWh

■オムロン/長州産業の場合
容量:6.5kWh、9.8kWh、16.4kWh
定格容量:5.9kWh、8.8kWh、14.8kWh

上段が容量で、下段が定格容量です。

シャープの場合はあまり差がないですが、京セラの場合は1kWh離れているので停電時にガッツリ電気を使いたいと考えている方は要注意です。

※長州産業様_住宅用太陽光カタログから出典

上記は長州産業の場合です。定格容量は容量の近くに記載されていることが多いです。

ちなみに定格容量と実効容量はほぼ同じと捉えていただいて構いません。

まさひこ

現状ファーウェイのみカタログに定格容量の記載がないです。

どの蓄電池にするかは1日の消費量を見て決める

蓄電池を比較する際のポイントはいくつかあるのですが、

1日あたりどれくらいの電気を使っているのかという数字

はいいヒントとなります。

最近はほぼWEB化している電力会社が多いですが、電力会社から届く検針票を見ると電気代がいくらと書かれている部分の近くに

○kWh

という数字が載っています。

この○kWhは1カ月の数字ですので、÷31(あるいは÷30)をすると1日あたりの消費量が算出されます。

例えば1カ月の消費量が500kWhの場合、÷31をすると

1日あたり約16kWh

消費していることになります。

ガス併用プランであれば、従量電灯といい使えば使うだけ単価が上がっていくプランのため、単純に1日の消費量は約16kWhとなります。

しかしオール電化の場合は、深夜単価が安く、昼間単価が高いプランを使用しているため、約16kWhのうち

何割が深夜で何割が昼間なのかを割り出す必要

があります。

全国平均値でいうと

深夜に7割、昼間に3割

使っている家庭が多いため、約16kWhのうち深夜が11.2kWh、昼間が4.8kWhとなります。

深夜はわざわざ蓄電池の電気を使わず、安い単価で購入すればいいや!という方であれば昼間の4.8kWh分を蓄電池から放電する必要があります。

この場合、

4.8kWhが定格容量

の蓄電池を選ぶ必要があります。

今回は1カ月の消費量が500kWhという想定で計算をしましたが、家庭ごとに使用量が異なるためまずは電気の検針票を用意した上で計算をしてみてください。

まさひこ

価格比較サイトに依頼するのであればイチイチ計算する手間は無くなります。

最後にひとこと

今回は「蓄電池の容量と定格容量の違い」について解説しました。

より詳しい説明を希望される方は優良店が多い

価格比較サイト

に登録されることをおすすめします。

価格比較サイトは入口が太陽光メインで蓄電池についてはオプションのサイトもあれば、

蓄電池メイン

で対応しているサイトもあります。

蓄電池の検討であれば蓄電池メインの比較サイト(エコ×エネの相談窓口)が断然おすすめです。

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まさひこ

ご訪問いただきありがとうございます。 静岡県で太陽光や蓄電池などの個人宅営業をしているマサヒコと申します。太陽光業界は今年で11年目を迎えました。 説明訪問をすると意外に他社が話している内容が間違っていたり、太陽光=悪と伝わっているケースが多いので啓蒙活動も兼ねてブログを開設しました。 よく出る質問や太陽光業界のニュース、大手解説サイトでは語られない真実をまとめていくので少しでも検討の力になれたら嬉しいです。 今までに「販売店から出た見積額が適正かどうか調べてほしい」「どのような質問をしたら優良店と見抜けるのか」といった質問をメールでいただきました。 zoomでの説明も可能なため、是非ともマサヒコを有効活用してください。すぐ下のメールボタンかお問い合わせ欄からご連絡お待ちしております。

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