裾野市で蓄電池を検討している方から
ニチコン製蓄電池の9.9kWhと9.7kWhの違いは何?
と質問がありました。単純に
蓄電池容量が0.2kWh異なるだけ
と思われがちですが
■見た目(蓄電池ユニットの数)
■室内リモコンの有無
■パワコンの回路数
■PID対策の有無
■自然災害補償の有無
といった違いがあります。
今回はニチコン製蓄電池の中でも、容量が似ている9.9kWh(ESS-T3L1)/9.7kWh(ESS-E1L1)の違いについて解説していきます。
じゃ、レッツゴー!
ニチコンの会社概要
■本社所在地:京都市中京区烏丸通御池上る
■設立:1950年(昭和25年)8月1日
■資本金:14,286百万円(2024年3月31日現在)
※ニチコン様_会社概要から出典
コンデンサなどの開発、製造、販売
を主な業務としている会社です。
■アルミ電解コンデンサ
■フィルムコンデンサ
■家庭用蓄電システム
■V2Hシステム
■EV・PHV用急速充電器
■公共・産業用蓄電システム
といったものを取り扱っています。
いろいろな商材を取り扱っている企業ですが、蓄電池・V2H市場では名高いメーカーです。
ニチコンが出している蓄電池
ニチコンは2012年1月に京セラと
家庭用蓄電システムの独占売買契約を締結
してから蓄電池の販売が加速していきました。
ほぼ初期に出した蓄電池は
■重量:202kg(本基礎必須)
■蓄電池容量:7.2kWh
■停電時自立出力:1.5kVA
■サイズ:横900mm×高さ1250mm×奥行345mm
というスペックでした。
そこから徐々に進化を遂げていき、現在市場に出回っている機種は
トライブリッド
■ESS-T3シリーズ:4.9/7.4/9.9/14.9kWh(今回紹介)
■ESS-T1/T2シリーズ:4.0/8.0kWh
ハイブリッド
■ESS-E1シリーズ:7.7/9.7kWh(今回紹介)
■ESS-T3シリーズ:4.9/7.4/9.9/14.9kWh
■ESS-H2L1:12.0kWh
単機能
■ESS-U4X1/U4M1:16.6/11.1kWh
■ESS-U3S1J:4.1kWh
とたくさんあります。(2024年6月現在)
今回比較対象に選んでいるのは
■トライブリッドの中にあるESS-T3シリーズ
■ハイブリッドの中にあるESS-E1シリーズ
の2種類です。
同じニチコン蓄電池ですがカタログが異なります。
9.9kWh(ESS-T3L1)の商品特徴
トライブリッドである9.9kWh(ESS-T3L1)蓄電池はカタログ表紙の左下に車が映っているシックな色合いのカタログに記載があります。
蓄電池は
■4.9kWh
■7.4kWh
■9.9kWh
■14.9kWh
の4種類あり、9.9kWhに関しては
4.9kWhの蓄電池ユニットを2台連結
する必要があります。14.9kWhに関しても7.4kWhの蓄電池ユニットを2台連結する必要があります。
サイズは蓄電池ユニット1台あたり
横幅540mm×高さ418mm×奥行230mm
と小型であることが魅力的です。しかし、2台連結すると
(540mm×2台分)+離隔を取る必要がある
ため横幅は1100mm以上必要となります。
このT3シリーズ蓄電池は
屋内設置を想定
しているため、屋外に設置する場合は仕様表のオプション欄に記載がある
蓄電池屋外用ケース(ES-T3H3)が必要
です。9.9kWh蓄電池は蓄電池ユニットが2台あるため、上記の屋外用ケースも2台分必要です。
T3シリーズの場合、
室内リモコンはトライブリッドパワコンの付属品扱い
であるため勝手についてきます。
パワコンについては
4回路
であるため、最大8.8kWまで入力することが可能です。
過積載率が149.1%であるため危険な香りがしますが、このT3トライブリッドパワコンの場合は変換できるパワコン容量5.9kWから
溢れた分の発電(残り2.9kW分)を直接蓄電池に溜められる
という特徴があります。
保証に関しては機器保証15年(室内リモコンは5年)とは別に
自然災害補償10年
がついているので安心できます。
こちらはT3シリーズである9.9kWh(ESS-T3L1)の解説です。
9.7kWh(ESS-E1L1)の商品特徴
ハイブリッドである9.7kWh(ESS-E1L1)蓄電池は全体的に白いヴェールがかかったような色合いのカタログに記載があります。
蓄電池は
■7.7kWh
■9.7kWh
の2種類あります。
こちらの9.7kWh蓄電池は
蓄電池ユニットが1台
しかありません。7.7kWhであったとしても1台です。
もともと屋外設置前提であるため、
屋外用ケースが必要ない
です。
先ほどの単元で紹介したT3シリーズのパワコンは重量44kgですが、
E1シリーズのパワコンは20kg
であるため非常に軽量設計になっています。
ただ、軽量になってくれたのであれば嬉しい限りですが、こちらのパワコンは
3回路入力
であるため、太陽光が4回路以上ある場合は原則設置ができません。(回路をまとめれば回避できます)
さらにこちらのパワコンは
PID対応が可能
となっています。PIDとは何ぞや?を解決するブログについてはこちらを参照してください。
PID対策ができる蓄電池メーカーはニチコンのほかに
■オムロン
■長州産業(エネテクト2が必要)
があります。
先ほどの単元で紹介したT3シリーズの場合は室内リモコンがトライブリッドパワコンの付属品扱いでした。
しかし、E1シリーズに関してはトライブリッドパワコンではないため
室内リモコンは別売(オプション)扱い
となります。スマホでの操作が煩わしいと感じる方は仕様表のオプション欄に記載がある
室内リモコン(ES-R7)が必要
です。
保証に関しては
機器保証15年のみ
となっています。
こちらのE1シリーズには
自然災害補償が付帯されていない
ため、必要であれば販売店からおすすめされた自然災害補償に加入してください。
こちらはE1シリーズである9.7kWh(ESS-E1L1)の解説です。
特徴のまとめ
今までのまとめをしたので時短にお使いください。
■見た目(蓄電池ユニットの数):9.9kWh(ESS-T3L1)→2台 / 9.7kWh(ESS-E1L1)→1台
■室内リモコンの有無:9.9kWh(ESS-T3L1)→有 / 9.7kWh(ESS-E1L1)→無(オプションで追加可能)
■パワコンの回路数:9.9kWh(ESS-T3L1)→4回路 / 9.7kWh(ESS-E1L1)→3回路
■PID対策の有無:9.9kWh(ESS-T3L1)→無 / 9.7kWh(ESS-E1L1)→有
■自然災害補償の有無:9.9kWh(ESS-T3L1)→有 / 9.7kWh(ESS-E1L1)→無
新規で太陽光も一緒に設置するのであればPIDは関係ないです。
どちらもV2Hの接続が可能
今回は蓄電池の比較が主であったため特にV2Hに触れていませんでしが、どちらのシリーズであっても
V2Hの接続は可能
です。
9.9kWh(ESS-T3L1)の場合は室内リモコンがパワコンの付属品として勝手についてくるため、
V2H側の設定も室内リモコンで可能
です。しかし、9.7kWh(ESS-E1L1)の場合は室内リモコンがオプション扱いであるため、
V2H側の設定もスマホで行う必要
があります。(オプション追加した場合を除く)
個人的には蓄電池のみであればスマホ確認で問題ないですが、V2H込みであればオプション代がかかっても室内リモコンありをおすすめします。
最後にひとこと
今回はニチコン製蓄電池である「9.9kWh(ESS-T3L1)/9.7kWh(ESS-E1L1)の比較結果」について解説しました。
より詳しい説明を希望される方は優良店が多い
に登録されることをおすすめします。
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蓄電池メイン
で対応しているサイトもあります。
蓄電池の検討であれば蓄電池メインの比較サイト(エコ×エネの相談窓口)が断然おすすめです。