蓄電池を検討している方から
サイクルは何のことを表しているの?
と質問がありました。
蓄電池に溜まっている電気が0%→100%→0%と動いたとします。この場合、1つの山ができます。
この山が
1サイクル
として計算されています。
もともと消費電力が少なく、1日1サイクルで回るのであれば特に気にする必要はありませんが、
1日の消費電力が多い場合
は1日2サイクル、あるいは3サイクル回る可能性があるので、容量選択の難易度が上がります。
今回は蓄電池のサイクルについて解説していきます。
じゃ、レッツゴー!
サイクルの考え方
現在、残量が0%の蓄電池があるとします。日中、発電した電気を溜めて残量が100%になりました。日没後、昼間に溜めた電気を徐々に放電し、残量が0%になりました。
この場合、電気残量が0%→100%、100%→0%となり、電気の流れをグラフで描くと1つの山ができあがります。
この山が
1サイクル
とされています。
メーカーから公表されているサイクル数は1日1サイクルという想定で計算されています。
長州産業の蓄電池には11,000サイクルと記載があります。
この場合、11,000サイクル÷365日=約30.1年バッテリーが持ちますよという意味合いになります。
バッテリーは約30年もつ可能性がありますが、太陽光同様
パワコンの交換タイミングについては約15年前後
と変わりないです。
約30.1年後にメンテナンスが必要になるわけではありませんので注意してください。
上記では分かりやすく0%と100%で説明しましたが、
日常生活で毎日全て消費することはできない
です。
いざ停電が起こった際に備えて、日々使わないで溜めておく非常時安心設定をしている場合、毎日1サイクルは回りません。
長州産業の場合、非常時安心設定の
初期数値は30%
に設定されています。
この場合、30%は日々使わずに残りの70%で生活することになるため、日々の生活で消費できるのは最大0.7サイクルとなります。
電気の性質上全て使い切った方がバッテリー的にいいのではないか?
と質問を受ける機会が多いですが、そこは蓄電池ユニット内でコントロールしているため特にお客さん側で意識する必要はありません。
蓄電池側が勝手に判断してくれます。
電気の使い方によっては容量が大きい蓄電池を選択する必要がある
先程の単元で蓄電池バッテリーは1日1サイクル計算がされているとお伝えしました。
しかし、これは電気の使い方が
1日1サイクルに収まる場合の話
です。
1日の電気の消費量が多い場合は1サイクルに止まらず、2サイクルあるいは3サイクル回る可能性があリます。
長州産業の蓄電池(マルチ)には6.5kWh/9.8kWh/16.4kWhの3種類、蓄電池のラインナップがあります。
こちらのページでもお伝えしておりますが、実際に使える電気の量を表すのは蓄電容量ではなく定格容量(実効容量)の方です。
定格容量(実効容量)は下記の通りです。
■6.5kWh:5.9kWh
■9.8kWh:8.8kWh
■16.4kWh:15.4kWh
仮に毎月300kWh電気を自家消費しているとします。
1ヶ月を30日とした場合、平すと1日に10kWh使用していることになります。
蓄電容量だけ見ると9.8kWhが近い気がしますが、実際に使える電気の量(定格容量)は8.8kWhです。
9.8kWhだとおおよそ1サイクルで回すことができますが、6.5kWhだとおおよそ2サイクルで回す必要があります。
先ほどの単元で長州産業(オムロン製)が公表している蓄電池のサイクル数は11,000=約30.1年であるとお伝えしました。
1日1サイクルであればこの考え方で合っています。
しかし、1日2サイクル回る場合、
約30.1年÷2=15.05年
という計算になります。
長州産業(オムロン製)であれば1日2サイクル回す想定とパワコン交換のタイミングがほぼ同じのため、メンテナンスで混乱する可能性は限りなく低いです。
手元に電気を月々使用している量が分かる検針票があれば分かりやすいです。
サイクル数はメーカーによって様々
サイクル数はメーカーによって差があります。
現状、サイクル数を公表しているメーカーでトップを走っているのは
■シャープ
■京セラ
■リミックスポイント
■ダイヤゼブラ電機
■ジンコソーラー(サンタンク)
■ファーウェイ
で
どれも12,000サイクル(1日1サイクル計算で約32年)
です。
反対にサイクル数が少ないのは
■伊藤忠商事(スマートスター)
■ニチコンの単機能型蓄電池
で
どちらも6,000サイクル(1日1サイクル計算で約16年)
です。
6,000サイクルの蓄電池に関しては1日2サイクル回す想定だと約8年しかもたない計算となります。
パワコン交換のタイミングよりも蓄電池のバッテリー部分を交換するタイミングの方が早くなる可能性もあるため、メーカー選びは慎重に行ってください。
自分で調べるのと並行して見積サイトに登録するものありです。
最後にひとこと
今回は「蓄電池のサイクル」について解説しました。
より詳しい説明を希望される方は優良店が多い
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