会社比較をしている方から
この会社は屋根面ギリギリまでパネルを載せているのに何で御社は余裕があるの?
と質問がありました。
載せられるところすべてに太陽光パネルを載せた方が見栄えも発電量も良くなるのですが、ギリギリまで載せてしまうとメンテナンススペースが確保できなくなります。
このメンテナンススペースを残していないと
メーカー保証が下りなくなる可能性がある
ため、基本的に屋根面ギリギリまで載せることはできません。
街中を歩いているとギリギリまで太陽光パネルが載っている屋根がありますが、大手ハウスメーカーがPRしている
太陽光パネルと屋根が一体型になったタイプの可能性もある
ので一概にダメとは言い切れない現状です。
今回は新築ではなく既築という前提で太陽光の設置範囲について触れていきます。
じゃ、レッツゴー!
太陽光業界の専門用語・オフセット
冒頭でお伝えしたメンテナンススペースのことを
オフセット
と呼びます。
IT業界でもオフセットという言葉を使うようですが、太陽光業界では文末にある
基準となる位置からの差
という意味合いが強いです。
屋根面を真正面から見た場合、
上下左右から300mm(30cm)ずつ余裕を見たエリア
がオフセットを有効にした状態です。
具体的に言うと、縦5000mm×横5000mmの屋根の場合、縦4400mm×横4400mmのエリアが対象となります。
上記の場合、縦4400mm×横4400mmの範囲内に太陽光パネルを収める必要があります。
屋根材がスレートや金属(ガルバリウム)であれば屋根の上下左右から300mmずつ(30cmずつ)見ておけば特に問題ありません。
しかし、瓦の場合は漆喰を考慮する必要があるため、
上下左右から500mm(50cm)ほど
余裕を見る場合もあります。
架台の種類によってはそこまでオフセットが必要ない場合もあります。
オフセットを守らないとメーカー保証が下りない可能性がある
メーカーあるいは商社にレイアウト設計依頼を投げると、設置レイアウトとは別に
金具/架台設置位置
が一緒に添付されてきます。
工事の際は上記の設置位置を確認しながら進める必要があります。
設置前・設置後の写真を撮り、その写真をメーカーあるいは商社に投げ、メーカーの指示通りに工事を完了したのであればメーカーが保証書を発行してくれます。
屋根材別にオフセットの基準があります。
メーカーが定める基準に準じていないと、施工指示書の通りに工事をしていたとしても
保証書が発行されない場合
があります。
ごく稀に屋根からはみ出して太陽光パネルを設置している屋根を見かけますが、基本的に
屋根からはみ出すというのは論外
です。
はみ出している部分は固定されていないことを意味します。
そのため、パネルの裏側から強風が吹いた際、風に巻き上げられてパネルが飛ぶ可能性があります。
契約した販売会社から自然災害補償の案内があったとしても、上記のようなケースは却下される場合があるので注意が必要です。
メーカーによっては縦置きができるパネルがあるので余白エリアを可能な限り埋めることもできます。
オフセットがないと脱着工事のときに困る
太陽光パネルを設置して約10年が経過し、屋根の塗装をすることになった場合、
①太陽光パネルを全ていったん取り外して塗装が終わったら元に戻す(金具・レール・架台はそのまま)
②太陽光パネルが載っているところ以外のみ塗装する
の選択肢があります。
①の場合、設置されているパネルを取り外す必要があります。
その際、オフセットが守られておらず屋根面ギリギリまでパネルが設置されていると、取り外し作業の際にバランスが取れず、
技術者が屋根から滑落する危険性
があります。
②の場合も、スペースがないと作業ができなためオフセットの重要性が大きくなります。
レイアウト提示を受けた際、オフセットが何mmなのか答えられない場合は自社施工でない可能性があります。
最後にひとこと
今回は「オフセット」について解説しました。
より詳しい説明を希望される方は優良店が多い
に登録されることをおすすめします。
嵐のように3~5社から一斉に連絡が来るタイナビ/グリエネとは異なり
専任のアドバイザーがついて情報を集約してくれる
サイトもあります。
各販売店との対応が煩わしい方であれば専任のアドバイザーがつく比較サイト(ソーラーパートナーズ)が断然おすすめです。