蓄電池の説明をしに訪問すると高確率で
全負荷蓄電池の方が使い勝手が良い
と意見が出ます。
確かに使い勝手が良いことに違いはありませんが、
■非常時に使いたい家電製品は特に冷蔵庫と決めている
■自宅の分電盤から別宅(倉庫など)の電気を引いている
という場合に関しては特定負荷蓄電池の方が向いています。
今回は特定負荷蓄電池のメリット・デメリットについて解説していきます。
じゃ、レッツゴー!
特定負荷と全負荷との違い
蓄電池の検討を始める際にはまず
■単機能型
■ハイブリッド型
のどちらかを選択する必要があります。詳細はこちらのページで解説しています。
どちらにするのかが決まったら、
■特定負荷
■全負荷
の2択が出現します。
まず、どちらのワードにも入っている
負荷
という言葉を説明する必要があります。
負荷は分電盤のざっくり右半分についている
小さいツマミ
のことを指しています。このツマミのことを負荷といいます。
反対にざっくり左半分についているのはブレーカーです。
築15年以上経過しているお家だと、背景が黒い契約ブレーカーと背景が白い主幹(漏電)ブレーカーがついています。
新築のお家には背景が白い主幹(漏電)ブレーカーしかついていないことが多いです。
家についている分電盤をよく見てみると、
■リビング
■エアコン
■トイレ・廊下
■浴室・洗面所
などいろいろな負荷があることが分かります。
特定負荷は名前の通り、
「特定」の負荷
を指しています。
分電盤上にリビング、エアコン、廊下、キッチン…と複数の負荷(ツマミ)があっても、この中で
1つの負荷(ツマミ)
しか選択することができません。
よく
1か所のコンセント
という説明をしている販売店があるそうですが違います。
1か所の負荷(ツマミ)であるため、その負荷が指している区画であればその区画に面しているコンセントはすべて使えます。
どの区画にどのコンセントが繋がっているのかに関しては、お家の図面資料の中にある
電気配線図(あるいは電気プロット図)
に記載があります。
もう1つの全負荷は
「全部」の負荷
を指しています。分電盤上にリビング、エアコン、廊下、キッチン…と複数の負荷(ツマミ)があっても
すべての負荷(ツマミ)
が使えます。
しかし、メーカーが定めている
停電時自立出力を超えるとブレーカーが落ちる
ため注意が必要です。
これで特定負荷と全負荷の違いについてはバッチリです。
特定負荷のメリット/デメリット
家庭によって考え方が異なるため、一般的なメリット・デメリットをお伝えします。
■メリット:使いたい家電製品を長く使える
■デメリット:1つの負荷しか使えない
例えば停電時に使用したい家電製品が
冷蔵庫
だとした場合、負荷をキッチンに指定すると冷蔵庫が使えます。
停電時の優先順位で冷蔵庫が上位にくるのであれば尚更です。
例えばオムロン9.8kWh蓄電池(実効容量8.8kWh)を導入した場合、冷蔵庫の出力が800wであれば
約11時間もつ計算(実効容量8,800w÷800w)
となります。
夜9時に停電したとしても、約11時間後は朝8時であるため、翌日が晴れであれば蓄電池残量が回復します。
そのため、
■使いたいと思っている家電製品がキッチン周辺に集中している
■使いたい家電製品がキッチンから伸ばした延長コードで届く
場合に関してはキッチンだけで十分ということになります。
反対に停電時使いたい家電製品が複数部屋にまたがる場合に関しては不利となります。
特定負荷でキッチンを選択した場合、キッチンという区画に面しているコンセントしか使えません。
そのため、2階の部屋、隣の部屋では電気を使うことができません。
そしてもう1点注意しなければならないことがあります。
特定負荷は
200vコンセントが使用できない
です。
200vコンセントの代表例は
■IHクッキングヒーター
■エアコン
■浴室乾燥機
■全館空調
■エコキュート
■床下断熱
などが挙げられます。
新築でオール電化住宅を選択した場合は、エコキュート・IHクッキングヒーターが標準装備になっているので生活から切り離せない方が多い印象です。
しかし、ガス併用住宅の場合は最初からエコキュート・IHクッキングヒーターがないため、停電時に
これらを使う想定をしていない
ケースが多いです。
ただ、エアコンに関してはどの家庭でも標準装備になっているため、停電時の考え方が重要になってきます。
いざ停電が起こった際に、
■夏場であれば扇風機で代用
■冬場であればヒーターで代用
という考えができるのであれば特定負荷で十分です。
停電時に平常時と変わらない量の電気を使う想定をされている方は少ないです。
隠れ負荷には注意
東京23区や神奈川県横浜市のような都心部に関しては特に心配することがありませんが、地方都市の場合は分電盤に
何の負荷が入っているのか
を確認する必要があります。
先ほど例に挙げたリビング、エアコン、廊下、キッチン…といった負荷は戸建であればどこの家庭でも存在していますが、
自宅と同じ敷地に倉庫/別宅を建てている場合
に関しては、そこで使用している電気を
自宅の分電盤から引っ張っている可能性
があります。
過去に蓄電池の説明をしに訪問した家庭を例に挙げると、その家庭の分電盤には
リビング
という負荷がありました。
リビングの負荷があること自体は何の問題もないのですが、途中で倉庫を建てた際に
倉庫内にある業務用冷蔵庫の電気をリビングから引く工事をした
と聞きました。
リビングには大体の家庭でエアコンがついています。
ただでさえ
エアコンは消費電力が大きい
にも関わらず、そこに追加で業務用冷蔵庫がついているとなるとより使用電力が大きくなります。
その結果、他の家電製品に放電をしてしまい、想定していたような使い方ができなくなります。
特定負荷は200vコンセントが使用できませんが、同じ区画につながっている家電製品にはどうしても電気が流れてしまうためモッタイナイ使い方になります。
途中で何かを追加した際には負荷の部分に名前を記載しておくと、蓄電池検討時にラクです。
最後にひとこと
今回は「特定負荷蓄電池のメリット・デメリット」について解説しました。
より詳しい説明を希望される方は優良店が多い
に登録されることをおすすめします。
価格比較サイトは入口が太陽光メインで蓄電池についてはオプションのサイトもあれば、
蓄電池メイン
で対応しているサイトもあります。
蓄電池の検討であれば蓄電池メインの比較サイト(エコ×エネの相談窓口)が断然おすすめです。