【蓄電池の非常時安心設定と寿命の関係について解説】蓄電池が元気なうちに自家消費に充てたほうがいい

三島市で蓄電池を設置した方から

非常時安心設定を30%から0%に変更すると寿命は縮まるの?

と質問がありました。

結論、縮まりません。

メーカーがカタログに記載しているサイクル数は

1日1サイクル(100%)計算

であることが多いです。

非常時安心設定を30%に設定すると

1サイクルではなく0.7サイクル

となります。

そのため、理論上は長持ちする計算になります。

今回は蓄電池の非常時安心設定と寿命の関係について解説していきます。

まさひこ

じゃ、レッツゴー!

蓄電池のサイクルとは

蓄電池のサイクルは他の家電製品でいう

寿命

を指しています。

現在、残量が0%の蓄電池があるとします。

①日中、発電した電気を溜めて残量が100%になりました。
②日没後、昼間に溜めた電気を徐々に放電し、残量が0%になりました。

上記の0%→100%→0%を線でつなぐと1つの山ができあがります。

この山が

1サイクル

とされています。

サイクルに関してはこちらのページで解説しています。

まさひこ

サイクル数はメーカーによって様々です。

非常時安心設定とは

非常時安心設定は有事に備えて

日々どれくらいの電気を蓄えておくかを設定できるもの

です。

メーカーによっては最低0%から

10%刻みで設定可能

です。

例えばオムロン9.8kWh蓄電池を導入した場合、実際に使える電気の量は

定格容量(実効容量)で表記されている「8.8kWhの方」

です。

非常時安心設定を0%にした場合、日常生活で使える電気の量は定格容量(実効容量)の8.8kWhです。

しかし、8.8kWhを

すべて使い切ったタイミングで停電になった

と想定すると、蓄電池残量は0%です。

そのため、停電時にも関わらず

電気を使うことができない

です。

2024年現在、蓄電池を光熱費削減目的で導入している方もいれば、停電対策で導入している方もいます。

停電対策で蓄電池を導入したにも関わらず、いざ停電になったときに電気が使えないとすると

本末転倒

です。

上記を回避するため、停電に備えて日々どれくらい電気を残しておくかを設定する必要が出てきます。

先ほど例に出したオムロン蓄電池9.8kWh(定格容量8.8kWh)の非常時安心設定を30%とした場合、

■非常時:8.8kWh×30%=2.64kWh は常に残しておく
■通常時:8.8kWh-2.64kWh=6.16kWh が常に使える

上記の通り、通常時に使える電気の量は6.16kWhとなります。

蓄電池に求める姿が何であるかによっておすすめの%が変わります。

■光熱費削減目的:非常時安心設定は0% の方が多い
■停電対策目的:非常時安心設定は30%前後 の方が多い
※まさひこ調べ

光熱費削減目的であっても非常時安心設定を30%にしている方はいます。

ご自身の好きなパーセンテージを見つけてください。

まさひこ

ふつうの容量ではなく定格容量(実効容量)で計算してください。

非常時安心設定の設定値を上げると蓄電池バッテリーの寿命が延びる

■長府工産:10,000サイクル(約27.3年)
■オムロン/住友電工:11,000サイクル(約30.1年)
■シャープ:12,000サイクル(約32.8年)

上記は一部メーカーが公表しているサイクル数です。

これらのサイクル数は蓄電池容量がどれであったとしても

1日1サイクル回る想定での計算

です。

先ほどの単元で例を挙げたオムロン蓄電池9.8kWh(定格容量8.8kWh)の場合、

8.8kWhをすべて使い切ること

が1サイクルという考え方です。

そのため、非常時安心設定を30%にしている場合は

実質0.7サイクル

となります。

■1サイクル:約30.1年
■0.7サイクル:約43.0年

上記の通り、日々使う電気の量を変える(=非常時安心設定の数値を変える)ことで蓄電池バッテリーの寿命が大きく変わってきます。

ここでお伝えしているのはあくまで

蓄電池バッテリーの寿命

です。

蓄電池の心臓部分であるパワーコンディショナ(以下、パワコン)に関しては約13年前後に交換が必要になるため注意してください。

まさひこ

オムロン以外のメーカーにつきましては話をしている販売店に確認をしてください。

経年劣化を考える必要がある

先ほどの単元でお伝えした蓄電池バッテリーの寿命

■1サイクル:約30.1年
■0.7サイクル:約43.0年

は経年劣化を考慮していません。

蓄電池に限らず家電製品は

経年劣化

をしていきます。

携帯/スマホで言うと

フル充電をしたにも関わらず消耗が激しくなったなぁ…

と感じるタイミングです。

上記を蓄電池に置き換えると

フル充電をして、いつも夜まで放電できていた電気が夕方頃に無くなってしまう

というイメージが近いです。

どんな使い方をしていたとしても長期間使用していれば必ず経年劣化は起こります。

■1サイクル:約30.1年
■0.7サイクル:約43.0年

理論上は上記の年数がもつ計算ですが、市場ではここまで長くもたないと考えられています。

光熱費削減目的で蓄電池を導入したのであれば、経年劣化する前にフルで溜めた分を自家消費に充てるという考え方もアリです。

まさひこ

短期間で異常な経年劣化が確認できた場合は保証で対応してもらえます。

最後にひとこと

今回は「蓄電池の非常時安心設定と寿命の関係」について解説しました。

より詳しい説明を希望される方は優良店が多い

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  • この記事を書いた人

まさひこ

ご訪問いただきありがとうございます。 静岡県で太陽光や蓄電池などの個人宅営業をしているマサヒコと申します。太陽光業界は今年で11年目を迎えました。 説明訪問をすると意外に他社が話している内容が間違っていたり、太陽光=悪と伝わっているケースが多いので啓蒙活動も兼ねてブログを開設しました。 よく出る質問や太陽光業界のニュース、大手解説サイトでは語られない真実をまとめていくので少しでも検討の力になれたら嬉しいです。 今までに「販売店から出た見積額が適正かどうか調べてほしい」「どのような質問をしたら優良店と見抜けるのか」といった質問をメールでいただきました。 zoomでの説明も可能なため、是非ともマサヒコを有効活用してください。すぐ下のメールボタンかお問い合わせ欄からご連絡お待ちしております。

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