太陽光の説明で訪問したところ、
親世帯が住んでいる1階と自分たちが住んでいる2階の両方電気代を下げたい
と要望が出ました。
結論、1階と2階で使っている分電盤が1つの電力メーターから分岐されているのであれば要望を叶えることができます。
しかし、それぞれの分電盤に電力メーターが繋がっている場合(電力メーターが2つある場合)は
どちらか片方のみの接続
となり要望を叶えることができません。
場合によっては、
■すべての容量を1階の電力メーターに繋げる
■すべての容量を2階の電力メーターに繋げる
■容量をおおよそ半分にして、それぞれの電力メーターに繋げる
■分電盤合併工事をしてメーターを1つにし、そこに繋げる
の4つ選択肢が生まれることもあるため、必ずしも不可能なわけではありません。
今回はこの電力メーターと太陽光の関係について解説していきます。
じゃ、レッツゴー!
電力メーターはこのような機械
電力メーターはこのような形をしています。
現在では
スマートメーター
と呼ばれています。2016年4月に始まった電力自由化以降、全国的に普及が進みました。
外壁についていることが多いですが、耐震性が優れている建物(大和ハウスやセキスイハイムなど)の場合は少し離れた場所に立っているポールにくっ付いていることもあります。
太陽光を設置した場合、このメーター1つで
売電量・買電量の計測
が可能です。
こちらは昔の電力メーターです。
どこのお家にも買っている方(左)のメーターがついており、太陽光を導入すると
売る方(右)のメーター
がつきました。
このタイプだと毎月1回検針員が来てメーターの数値を読み取り、それが電気代として請求されていました。ちなみにこの頃は全世帯に
紙の検針票が存在
していました。
今現在のスマートメーターだと電気使用量が30分に1回、自動的に電力会社に飛ぶようになったので紙の検針票が発行されることは無くなりました。
電力会社によっては月額いくらで発行してくれるオプションもあります。
紙の検針票を要望される方はお住まいの管轄の電力会社に問い合わせてください。
今回は電力メーターの話をしたいわけではないので、細かい話は省略します。
太陽光を接続できるのは1メーター1システム
太陽光発電システムは基本的に
1メーター1システム
と決まっています。建物の中で
■1階部分が店舗用、2階部分が自宅用
■1階部分が親世帯用、2階部分が自分たち息子・娘世帯用
といったように分電盤が分かれている場合、外壁に電力メーターがいくつ付いているのかを確認する必要があります。
1階と2階で使っている分電盤が
1つの電力メーターから分岐されている場合
であれば電気代削減が可能です。
しかし、それぞれの分電盤に電力メーターが繋がっている場合(電力メーターが2つある場合)は片方の電力メーターしか削減が出来ません。
同じ屋根の下に暮らしていたとしても片方のメーターにしか太陽光パネルが発電した電気がこないため、もう片方のメーターの世帯で多くの家電製品を使用すると
ただただ電気代が高くなる
という現象が生じます。
真夏の昼間に
■エアコンをガンガン回した
■エコキュートでお湯を沸かした
場合でも発電した電気を使用している訳ではなく、電力会社から購入した電気を使用しているだけなので意味がないです。
手っ取り早く調べる方法は電気契約がいくつあるのかを調べることです。1つの電気契約=1つのメーターです。
分電盤合併工事をすればメーターが複数に分かれていても解決
先程の単元で1メーター1システムにしか接続ができないとお伝えしました。
しかし、2つある分電盤を1つにしてしまえば電力メーターも1つになるため
■基本料金が1メーター分安くなる
■家全体で電気代削減が可能
といった効果が見込めます。
ではメーターを1つにするにはどこに依頼するのかという話ですが、
①管轄している電力会社に連絡する
②電気の資格を持つ太陽光販売店に相談する
の2つの選択肢があります。
勿論タダではできず、作業費用が発生します。
作業費用は1世帯あたり税抜15万円が相場になっています。
先ほどの②に関して注意点があります。
例えば1階で60Aの契約、2階で40Aの契約をしていた場合、
合併工事をして100Aにする必要
があります。
電気は引込柱という電柱から電気を引いて、それが外壁を降りてきて電力メーターの中に入っています。
60Aは60Aに適応した電線の太さ、40Aは40Aに適応した電線の太さとなっています。
100Aに関しては流れる電気の量が多くなるため電線が
かなり太く
なります。
電力メーターは家に住んでいる人ではなく
電力会社の持ち物
であるため、配線を引く際に電力会社との共同作業が発生します。
このため先程お伝えした税抜15万円とは別に
電力会社に支払う費用
も考える必要があります。相場はプラス税抜7万円です。
①に関しても結構高いと感じるのでトータルするとあまり変わりません。
どうしても合併工事をしたくない場合の妥協案
上記は駐車場の屋根に設置検討している方のレイアウト図です。
■レイアウト(上):30枚のパネルを1メーターに繋げる想定
■レイアウト(下):パネルを15枚ずつに分けてそれぞれを別メーターに繋げる想定
となっています。
もし設置検討している屋根面が大きい場合、レイアウト(下)のようにパネルを15枚ずつに分割して、それぞれのメーターに接続することも可能です。
この場合、分電盤合併工事を行わなくても
どちらの世帯でも電気代を安くすることが可能
です。
しかし、この場合は合計2システムになりますので、
工事費用も2軒分必要
です。
設置する販売店で多少頑張れると思いますが、2軒分の配線工事をすることになるのでそれなりの労力が掛かります。
懸念点もあります。
現在は
登記簿上でいう1地番に1システムの接続しかできない
です。
そのため、同じ地番に2システムを接続する場合は、どちらかの電気の申請住所に枝番をつけて別の住所で申請する必要があります。
登記費用はそれなりに掛かりますので詳しくはお近くの法務局に確認してください。
大きな駐車場を挟んで、西側に親世帯、東側に息子・娘世帯といったようにマップ上で明らかに
別々の場所に家が建っている
ようであれば上記の問題は起こらないです。
今回は太陽光としてお伝えしていますが、
蓄電池も1メーター1システム
です。
蓄電池をメーター①の家庭に設置すると、メーター①の家庭では停電が起きても安心です。
しかし、メーター②の家庭では真っ暗のままなので注意してください。
電気の資格を持っているお客さんで設置終了後に配線を変えている方もいます。(非常にグレーです)
最後にひとこと
今回は「電力メーターと太陽光の関係性」について解説しました。
より詳しい説明を希望される方は優良店が多い
に登録されることをおすすめします。
嵐のように3~5社から一斉に連絡が来るタイナビ/グリエネとは異なり
専任のアドバイザーがついて情報を集約してくれる
サイトもあります。
各販売店との対応が煩わしい方であれば専任のアドバイザーがつく比較サイト(ソーラーパートナーズ)が断然おすすめです。