蓄電池の説明で訪問をすると
蓄電池導入で10,000円経済効果が出ると聞いたけど本当?
と聞かれることがあります。
結論、
(状況にもよるが)難しい
です。平均で3,000円前後が相場です。
蓄電池はあくまで災害対策メインとして考えられており、光熱費の削減メインではありません。
元を取る
という考え方で蓄電池を導入すると後々痛い目を見ます。
FIT終了後に蓄電池を導入される方であれば
電気の有効活用ができる(売ると価値が低いが使うと価値が高い)
という考え方の方が良いです。
今回は蓄電池による経済効果について解説していきます。
じゃ、レッツゴー!
蓄電池を追加すると何が変わるのか
簡単に言うと
電気を溜めること
ができるようになります。
蓄電池に電気を溜めることで、
■太陽が出ていない時間帯(夕方以降、朝方)の光熱費削減
■停電対策
が可能になります。
蓄電池の基礎です。
なぜ経済効果に注目させるような説明をしている会社がいるのか
恐らく
経済効果を全面に押し出さないと売れないと思っているから
だと思われます。※私の考えです。
市場に出回っている蓄電池は容量にもよりますが
平均で180万円前後
です。
仮に経済効果が月に10,000円出るのであれば、年に120,000円出ます。
合計1,800,000円÷年経済効果120,000円=償却年数15年という計算になります。
太陽光市場が始まった当初は、今ほどパネル1枚あたりの発電量も高くなければ発電効率も良くありませんでした。
しかし、売電単価については高かったです。
そのため、お家によっては15年で元が取れる計算になり、金利分を含めても15年でローン完済できるお家が多く存在しました。
太陽光のローンが残っているのであれば完済してから蓄電池の検討を始めた方が無難です。
蓄電池検討を始めるきっかけは人それぞれ
■FITが終了するから
■売電単価よりも買電単価の方が高く、有効活用したいから
■災害対策になるから
■SDGsに貢献できるから
■全く検討できない金額でもなくなったから
■パワコンが故障したから
上記は私が蓄電池の説明訪問の際に聞いた生の声(きっかけ)です。
ここ最近はパワコンが故障したことで、ハイブリッドパワコンへの交換を含めて蓄電池の検討をされる方が多い印象です。
私が訪問をした際、
最終的に蓄電池に求める姿は 災害対策 / 光熱費の削減 のどちらですか?
と必ず質問をします。
災害対策であればメーカーごとのメリット・デメリットをお伝えした上で適切なメーカーを選択します。
しかし、光熱費の削減と返答があった場合は
まだ早いのではないか
と回答します。
理由は
世間が蓄電池に求めている姿とメーカーが蓄電池に求めている姿が異なるため
です。
冒頭でもお伝えしましたが、蓄電池は災害対策メインであり、光熱費の削減メインではありません。
実際、光熱費の削減をしようとするとかなり大きな容量の蓄電池が必要になります。
経済産業省の調べによると、オール電化の家では
平均10kWh/1日使用する
そうです。
10kWh使うということは
定格容量(実効容量)が10kWh
である必要があります。この場合、蓄電容量は12kWh前後となります。
容量と定格容量の違いについてはこちらのページで解説しています。
売ると価値が低くなってしまう電気を有効活用するために、蓄電池を導入するという考え方であれば応援できます。
実際どれくらいの効果が出るのか
こちらはお家によって電気の消費パターンが異なり、必ず○○円出るといった伝え方ができないです。あくまで参考値として捉えていただけると嬉しいです。
例)東京電力_電化上手 6kVAを契約している場合
月の使用量 520kWh
朝晩 170kWh(32.7%)
昼間 60kWh(11.5%)
夜間 290kWh(55.8%)
※過去に訪問したお客さまの実データを引用
蓄電池を導入した場合の電気の流れは下記となります。
①発電した電気はまず自家消費に回る
②使いきれなくて余った分を蓄電池に溜める
③蓄電池が溜められるMAX容量を超えた場合は売電される
太陽光で発電した電気を自家消費する(経済効果として計算できる)のは
■昼間の60kWh:60×30.67円=約1,840円
■前半の朝晩時間帯(7:00~10:00)のみ
となります。
朝晩は午前7~10時、午後5~11時の2か所存在しています。
冬場の場合、後半の午後5~11時に関してはほぼ陽が落ちているものだと想定すると、実質午前7~10時のみが削減可能というイメージとなります。
仮に朝晩170kWhの半分、85kWhが前半の使用量と想定した場合、85×25.94円=約2,205円となります。
■昼間:約1,840円
■朝晩:約2,205円
■合計:約4,045円
今回の例だと蓄電池導入により、約4,000円の経済効果が出ることになります。
私が説明訪問した際は後々のクレーム防止のため必ず、
ちなみに経済効果は3,000円前後です
と付け加えています。
月に10,000円経済効果を出すには
■前半の朝晩時間帯(7:00~10:00)
■昼間の時間帯
に多く電気を使っていることが条件となります。
これから蓄電池の検討をされる方は、現在どのような電気の使い方をしているのかを調べた上で情報収集してみてください。
蓄電池は金額以外にも「容量」や「停電時自立出力」、「寿命」など比較ポイントが沢山あります。
最後にひとこと
今回は「蓄電池が出せる経済効果」について解説しました。
より詳しい説明を希望される方は優良店が多い
に登録されることをおすすめします。
価格比較サイトは入口が太陽光メインで蓄電池についてはオプションのサイトもあれば、
蓄電池メイン
で対応しているサイトもあります。
蓄電池の検討であれば蓄電池メインの比較サイト(エコ×エネの相談窓口)が断然おすすめです。