大手ハウスメーカーのCMやリフォームのチラシを見ると
スマートハウス
といった文字が頻繁に書かれています。
太陽光や蓄電池といった言葉に関しては聞き馴染みがあるので、あ~あれね!となります。
しかし、スマートハウスに関してはイマイチピンと来ていない方が多い印象です。
一言で表すと、
HEMSを使って家庭内の電気をコントロールすること
を指します。
この解説をするにはHEMSという機器についてお伝えする必要があります。
今回はHEMSとスマートハウス、おまけでスマートハウスに近しい言葉について解説していきます。
じゃ、レッツゴー!
HEMSについて
太陽光の説明訪問すると、
HEMS = 発電モニター
と思われている方が多い印象です。
HEMSは「Home Energy Management System」の頭文字を取って略されたもので、
エネルギーの使用状況を一括管理できる機器
です。
発電モニターに関しては家全体の消費量や売電量/買電量、発電量が見れます。
しかし、個々の家電製品が何w使用しているかといった細かい数値に関しては確認することができません。
その個々の家電製品の電気使用量を確認するための機器がHEMSです。
上記写真はシャープから出ているクラウドHEMS(タップ式)という商品です。
中央の写真が100vコンセント用、右の写真が200vコンセント用です。どちらも本体後ろにコンセントがついています。
この商品の場合は、個々の家電製品とコンセントの間にこの機器を挟むことで、この機器から
電気使用量のデータが飛ぶ仕様
になっています。
飛んできたデータに関してはHEMSアプリ(ダウンロードする必要あり)を通して、ご自身のスマホやパソコン画面で確認することができます。
現在の技術では家の中にある個々の家電製品の電気使用状況が見える化できるだけですが、今後は
水道やガスの情報も同じ管理画面で見える化される予定
となっています。
今後は本当の意味でエネルギーの一元管理ができるようになります。
しかし、問題点もあります。
HEMSを使用しているwi-fi環境に侵入された場合、
その特定の家の生活パターンが丸わかり状態
です。
その結果、この時間だから在宅、この時間だから不在というのが分かってしまいます。
犯罪に使われる可能性がゼロではないので、使い方には十分注意する必要があります。
防犯も含めて日進月歩で研究が進んでいます。
スマートハウスについて
スマートハウスに必要なのは下記の3点です。
■太陽光発電
■蓄電池
■HEMS
発電した電気/蓄電池に溜めた電気を電気自動車に充電するV2Hに関しては蓄電池と同じ部類になるため、ここでは省略します。
日中、売電にあたる部分を蓄電池に充電し、夕方以降に溜めた電気を放電するという流れについては太陽光発電と蓄電池があれば勝手に動いてくれます。※モードによる
ここにHEMSが加わると
電気使用量が大きい家電製品に優先して
放電することが可能になります。太陽光発電・蓄電池が創った電気の流れをHEMSが効率的にコントロールしてくれるというのがスマートハウスの意味合いです。
説明する人によって内容がバラバラなのでスマートハウスについてはこういうものなのかぁ…とざっくり理解してもらえると嬉しいです。
スマートハウスと勘違いしやすい言葉 ①スマートホーム
スマートホームは
■IoT:モノをインターネットで繋ぐこと
■AI:人工知能
を活用した住宅のことを指します。
具体的に言うと家電製品の遠隔操作が可能です。
こちらはシャープのHEMSを使った場合の解説です。
先ほどスマートハウスでは、HEMSを使うと個々の家電製品の電気使用量が確認できるとお伝えしました。
それに加えて、
■エアコンの電源オン/オフ、設定温度変更
■エコキュートの湯はり開始
■冷蔵庫の閉め忘れを音声で教えてくれる
といった機能が使えるのがスマートホームです。
シャープのHEMSで家中の家電製品をコントロールするには
すべてシャープの家電製品であることが条件
です。
シャープの家電製品が好きでECHONET Liteという規格に適した家電製品が溢れているのであれば、シャープのHEMSを導入することですべて遠隔管理することができます。
このような説明をすると遠隔制御できるのはシャープだけ?という疑問が生まれますが、実は違います。
2018年、賃貸大手のレオパレスで
備え付けの家電製品が手持ちのスマホで遠隔操作できる
と話題になりました。
レオパレスの新築物件には2016年10月からHEMSを標準搭載しているそうです。
もしかしたら、HEMSの導入率だけで見たらレオパレスが一番実績があるのかもしれません。
家電製品のメーカーがお互い異なっていても遠隔操作できるIoT機器は年々新しいものが出ています。
スマートハウスと勘違いしやすい言葉 ②ZEH
ZEHは「net Zero Energy House」の頭文字を取って略されたもので
高断熱・省エネ・創エネにより、エネルギー収支をゼロ以下にする家
※経済産業省_資源エネルギー庁_知っておきたいエネルギーの基礎用語から引用
を指します。
家の中で使用する電気を極力減らし、太陽光が発電した電気・蓄電池に溜めた電気だけで生活をすると、
エネルギー収支がゼロに近づくよね
という考え方です。
①発電した電気はまず自家消費に回る
②使いきれなくて余った分を蓄電池に溜める
③蓄電池が溜められるMAX容量を超えた場合は売電される
上記は太陽光と蓄電池を導入した場合の電気の流れです。
売電モードではなくグリーンモードの場合です。
蓄電池に一度溜まった電気に関しては自らの意思で売電に回ることはなく、基本的に家の中に戻ってきます。
グリーンモードは極力電力会社から電気を買わないことを目的としているモードです。
特に設定を変えなければ日が落ちた後に、蓄電池からの放電で自家消費分を賄うことができます。
これにより、
夕方以降の電気は蓄電池で賄えていることになる
ため、ZEHになっていると言えます。
現在契約している電力会社によっては、今放電するよりも、数時間後に放電させたいといった状況もあります。
この場合、蓄電池に付属されているモニター、あるいは自身のスマホを操作して、
放電する時間帯を変更すること
が可能です。
ここではZEHの考え方の説明をしているだけであって、寒さや暑さを我慢してくださいと言っているわけではありません。
新築やリフォームでZEHにするのであればぜひ参考にしてください。
地域で使う電気を他の地域から持ってくるPPAというシステムもあります。
最後にひとこと
今回は主に「スマートハウス」と「スマートハウスに似た言葉」について解説しました。
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