2012年ごろに太陽光を導入されたお客さんから
パワーコンディショナ(以下、パワコン)の交換はどの保証が適用されるの?
と質問がありました。
パワコン交換が適用されるのは
システム(機器)保証
です。
太陽光市場が始まってから20年ほどが経過しても
どの保証で何を直せるのかがイマイチ分からない
という方が多いです。
今回は保証の種類について解説していきます。

じゃ、レッツゴー!
保証の大枠

テレビや冷蔵庫、洗濯機、電子レンジといった家電製品を購入すると長短はありますが
製品保証が付帯
されます。
上記と考え方は同じで太陽光システムを購入すると太陽光システムに対して保証が付帯されます。
太陽光システムの場合は製品保証だけではなく
別の保証
も付帯されます。

どのメーカーであってもカタログの後半に保証について記載されているページがあります。
太陽光の場合はざっくり
■出力保証
■システム保証
の2種類に分かれています。
ちなみに蓄電池の場合はざっくり
■容量保証
■システム保証
の2種類に分かれています。

メーカーによっては出力保証・システム保証のほかに
オリジナルの保証
が付帯されている場合があります。
数多くの保証がついているから良いメーカーとは限りませんので、良し悪しについてはよく検討した上で導入してください。

よくよく考えたら必要ない保証もあります。
保証① 出力(発電)保証

出力保証はメーカーが定める基準値よりも
パネルの発電量が下がった場合
に適用されます。
例えば長州産業の太陽光カタログには下記と記載があります。
電力会社との電力需給開始日から
■10年間(0年~10年):JIS C 61215-2に示された測定方法にて太陽電池モジュールを測定し、公称最大出力に対して81%未満となった場合
■11年目から15年間(11年~25年):JIS C 61215-2に示された測定方法にて太陽電池モジュールを測定し、公称最大出力に対して72%未満となった場合
※長州産業様_太陽光カタログ 安心の長期保証制度から引用

長州産業のバックナンバー「PV053 2406S(カタログ裏表紙の右下に記載あり)」に載っている発電量が364wパネルの場合、パネル1枚の発電量が
■10年間(0年~10年):364w×0.81(81%)=292.41w
■11年目から15年間(11年~25年):364w×0.72(72%)=262.08w
を切っていた場合に出力保証が適用されます。
具体的には出力保証を適用することで
発電量が著しく下がっているパネルを新品に交換
することができます。

しかし、出力保証の対象かそうでないかを計測するには
設置されているパネルを取り外して、それをメーカーに送る
必要があります。
パネルの測定費用については出力保証に含まれているため無料ですが、
■パネルを取り外す費用
■パネルを元に戻す費用
■上記を行うにあたって建てた足場の費用
に関してはすべて施主さま負担になるため注意が必要です。
あくまで
調べるのがタダ
です。

出力保証が長期と謳っているのは
マキシオン
というメーカーです。
多くのメーカーの出力保証が25年であるなか、マキシオンに関しては
40年
を謳っています。
ほかのメーカーより15年も出力保証が長いと魅力的に移りますが、出力保証に関してはいろいろと負担が発生するため使わないケースの方が多いです。

私は例えでよく「あっても意味がない保証」と説明しています。
保証② システム(機器)保証

システム保証あるいは機器保証は太陽光モジュールやパワコン、架台やモニターといったメーカーが定めたラインナップのうち
どれかが故障した場合
に適用されます。
13年前後(メーカーが言うには10年前後)に発生するパワコンの基板交換はこのシステム保証が適用されます。
発電モニターの不調(画面が映らなくなった)
に関してもこのシステム保証が該当します。

稀にパネルにヒビが入った場合の保証もシステム保証と思われがちです。
何かが飛んできたということもなく、自然に割れたのであればシステム保証が適用されます。
しかし、目に見える飛来物がパネルに当たって、それが原因で割れたのであればこれから説明する自然災害補償が該当します。
パネルのヒビに関しては
何が原因なのかが非常にグレー
であるため、詳しくは設置をした販売店に確認してください。

滅多にありませんが、パネルの下に取り付けている架台に何か問題が起きたときもシステム保証が該当します。
オプション 自然災害補償

自然災害補償は名前の通り、
自然災害が起因で機器が故障した際
に適用されます。
何の自然災害補償が適用されるのかは以下の通りです。
■火災
■破裂・爆発
■落雷
■風災
■水災(洪水)
■建物外部からの衝突
■雹災・雪災
■盗難

今までに紹介してきた出力保証とシステム保証については
設置するメーカーに付帯
されています。
しかし、自然災害補償に関しては
■設置をするメーカーに付帯されている場合
■販売店が別の会社に申し込む場合
の2パターン存在します。
どちらだから不利というのは無いですが、販売店が別の会社に申し込む場合については設置をしたメーカー以外の会社から保証書が届きます。
決して間違っているわけではありませんので安心してください。

自然災害補償がメーカーに付帯されているのはシャープ、京セラです。
オプション 雨漏り保証

雨漏り保証は名前の通り、
雨漏りが起きた際
に適用されます。
雨漏り保証が付帯されているのは2025年2月現在
長州産業のみ
となります。

この雨漏り保証は
屋根に対して穴を開けた場合
に適用されます。
穴を開けて金具を設置する屋根材は
■スレート
■瓦
が挙げられます。

ガルバリウム(金属)屋根の場合はそもそも
掴み金具
といい、
屋根に対して穴を開けない工法
が適用されます。
そのため、ガルバリウム(金属)屋根の場合は長州産業を設置したとしても施工保証は適用されません。

付帯されていたら安心だなと思えるレベルの保証です。
オプション 経済損失補償

経済損失補償は
太陽光パネルに不具合が起き、売電収入が下がった際
に適用されます。
詳しい解説はこちらのページで紹介をしています。
経済損失補償が付帯されているのは2025年2月現在
ネクストエナジーのみ
となります。

付帯されていたら安心だなと思えるレベルの保証です。
最後にひとこと
今回は「太陽光の保証の種類」について解説しました。
より詳しい説明を希望される方は優良店が多い
に登録されることをおすすめします。
嵐のように3~5社から一斉に連絡が来るタイナビ/グリエネとは異なり
専任のアドバイザーがついて情報を集約してくれる
サイトもあります。
各販売店との対応が煩わしい方であれば専任のアドバイザーがつく比較サイト(ソーラーパートナーズ)が断然おすすめです。