太陽光を設置してから約2年が経過したお客さんの家に点検訪問をしたところ、
売電収入が昨年の同じ月よりも少ないけど正常に稼働しているの?
と質問を受けました。
この方が太陽光を設置した2022年は売電単価が17円/kWhでした。
2022年に限った話ではないですが、年度によっては売電単価よりも
買電単価の方が高い
ため、売電収入が少ないほうが光熱費削減に貢献できています。
ちなみに
■2013年より「前」に設置:売電優先のほうが有利
■2013年より「後」に設置:買電優先のほうが有利
という現状です。
今後設置をする方の売電単価がぐ~んと上がるという話は
今のところ出ていない
ため、情報に惑わされないようにしてください。
今回は売電収入の秘密について解説していきます。
じゃ、レッツゴー!
目次
2013年より以前に太陽光を設置している場合は売電量が多いと有利(東京電力の場合)
2024年8月現在、2013年より以前に住宅用太陽光を設置している方についてはすでに
FITが終了
しています。
FITは固定価格買取制度のことを指しており、この固定価格買取制度が始まったのは2012年7月のことです。
売電単価は
2012年:42円/kWh
でした。
2012年に設置した方は2022年がFIT終了年です。
この期間はまだ電気代単価が安かったため、買電単価よりも
売電単価の方が高い
状況でした。
そのため、家の中では極力電気を使わず、
売りに回した方が経済効果が出やすい時代
でした。
東京電力管轄であればFIT終了後の価格は8.5円/kWhに下がっています。
2013年以降に太陽光を設置している場合は売電量が多いと不利(東京電力の場合)
2013年以降に太陽光を設置した場合は
■2013年:38円/kWh
■2014年:37円/kWh
■2015年:33円/kWh
■2016年:31円/kWh
■2017年:28円/kWh
■2018年:26円/kWh
■2019年:24円/kWh
■2020年:21円/kWh
■2021年:19円/kWh
■2022年:17円/kWh
■2023年:16円/kWh
■2024年:16円/kWh
の売電単価が適用されています。
■ロシア・ウクライナ問題
■急激な円安ドル高
により、日本全国の電気代が2022年頃から上がりだしました。
売電単価は10年間固定
されているため変動することはありませんが、買電単価に関しては有無を言わさず変動します。
2024年8月現在、東京電力の従量電灯Bというプランを契約している場合、
買電単価は約44円/kWh(第3段階の価格40.49円+再エネ賦課金令和6年度単価3.49円)
です。
例えば2014年に太陽光を設置した方の場合、FIT終了するのは2024年です。
この場合、
■売電単価:37円/kWh
■買電単価:44円/kWh
という結果になります。
太陽光を比較検討していた頃は販売店のシミュレーションが
売電収入ありき
だったかもしれませんが、今になってみると買電単価の方が高くなっているため状況は悪化しています。
償却年数の見直しをおすすめします。
売電を買電に充てる方法
売電を買電に充てる方法をお客さんに質問すると
蓄電池を導入する
と回答をいただくことがあります。
誰しもがすぐに蓄電池を導入できる価格帯であれば特に問題ありませんが、売電単価が30円/kWh以上のとき(2013年~2016年)に太陽光を導入した方のほとんどが
ローンを利用している
と聞きます。この頃は
導入価格が高かった
ためです。
現状の生活に蓄電池を追加する場合、
太陽光のローン+蓄電池の支払い
が発生します。
こうなると生活を圧迫してしまうので手っ取り早く売電を減らし買電に充てる方法を紹介します。
【深夜に稼働するものを昼間に時間変更する】
一番簡単なのはエコキュートの
沸き上げ時間変更
です。
太陽光と一緒にエコキュートを勧められて導入した場合、故意的に変更しない限り
深夜電力を使う時間帯に沸き上げる設定
になっています。
理由は導入した時期は深夜電力の単価が
非常に安価だったため
です。
東京電力には
電化上手
というオール電化向けのプランがあります。※現在はもう加入できません。
2024年8月現在の購入単価は32.34円/kWh(深夜単価28.85円+再エネ賦課金令和6年度単価3.49円)ですが、プランが始まった当初は
9.61円/kWh
でした。
売電単価よりも単価が低い時間帯が存在するのであればその時間帯に設定すればいいのですが、現状どの時間帯であっても
売電単価より高い
です。
そのため、太陽光の力をもれなく使える昼間に時間変更されるとベストです。
エコキュートがない家庭では乾燥機の時間変更もおすすめです。
(おまけ)2009年~2011年の売電方式
1つ目の単元で固定価格買取制度が始まったのは2012年7月とお伝えしました。
しかし、2012年の3年前にあたる2009年~2012年に太陽光を設置しても売電ができました。
この頃はまだ固定価格買取制度が始まっておらず、
余剰電力買取制度
という名称でした。FIT同様、家の中で使い切れなくて余った電気を買い取ってくれるという制度です。
ここで発生した売電分は現在の固定価格買取制度同様、設置者の口座に入ります。
しかし、電力会社が売電分をすべて負担していたわけではなく、
太陽光発電促進付加金
という名目で各家庭の
電気代と一緒に徴収
していました。
太陽光発電促進付加金は2012年のFIT法改正により再エネ促進賦課金という名称に変わっています。
2009年~2012年の3年間に関しては「固定価格」ではないです。
最後にひとこと
今回は「売電収入の秘密」について解説しました。
より詳しい説明を希望される方は優良店が多い
に登録されることをおすすめします。
嵐のように3~5社から一斉に連絡が来るタイナビ/グリエネとは異なり
専任のアドバイザーがついて情報を集約してくれる
サイトもあります。
各販売店との対応が煩わしい方であれば専任のアドバイザーがつく比較サイト(ソーラーパートナーズ)が断然おすすめです。