小田原市で太陽光と蓄電池を検討している方から
オフグリッドにする場合の適切な容量で提案が欲しい
と要望が出ました。
オフグリッド=電力会社と電気契約を結ばない
ことを意味するため、この生活を送るには数日停電になったとしても問題ない容量の蓄電池を導入する必要があります。
電気の供給源が
太陽光パネルしかない
ため、停電時に悪天候の場合は蓄電池内の電気が無くなったら最後です。
個人の考えにもよりますが今のところ、オフグリッドに対応できる蓄電池の容量がないため個人宅での実現はほぼ不可能です。
今回はオフグリッドについて解説していきます。
じゃ、レッツゴー!
オフグリッドとは
オフグリッドは、
太陽光発電や蓄電池を使って、電気の自給自足を行っている状態
のことを指します。
電力会社と契約をしないため、太陽光パネルが動いていない時間帯は
蓄電池からの放電で自家消費分を賄う
必要があります。
蓄電池内の電気が無くなると
何もできなくなる
ため注意が必要です。
住宅街で見かけることはありません。
一般家庭の電気消費量
電気の自給自足を行うといっても電気の消費量は家庭によって異なります。
以下は
ガス併用とオール電化
の場合の電気代平均です。
ガスを併用している場合は
■1人暮らし:5,482円
■2人暮らし:9,183円
■3人暮らし:10,655円
■4人暮らし以上:11,836円
※関西電力様_オール電化世帯人数別の電気代平均額ページから引用 https://kepco.jp/denka/article_family_average/
が平均で、オール電化の場合は
■1人暮らし:10,777円
■2人暮らし:13,406円
■3人暮らし:14,835円
■4人暮らし以上:16,533円
※関西電力様_オール電化世帯人数別の電気代平均額ページから引用 https://kepco.jp/denka/article_family_average/
が平均となっています。
総務省統計局「家計調査 家計収支編 2021年 世帯人員・世帯主の年齢階級別が参考になっているため、現在の暮らしとは少々異なります。
ガス併用で4人暮らしの場合の適切な容量
先ほどの単元で紹介した電気代を参考にすると、ガス併用で4人暮らしの電気代平均は
11,836円
です。
太陽光や蓄電池の話をするには単位が円ではなくkWhの方が話しやすいため、ここから先は電気「代(円)」ではなく
電気「使用量(kWh)」
で解説していきます。
11,836円を仮に東京電力_従量電灯Bプラン第2段階単価である36.40円で割ると
約325kWh
という計算結果となります。
ひと月に325kWhの発電量を出すには、
325kWh×12か月=3,900kWh
の年間発電量を出せる太陽光パネルを設置する必要があります。太陽光の変換効率や日射条件を無視すると
3.9kWあれば十分
です。ぜひ月々に使用している電気使用量に合わせて計算してみてください。
ただ、この計算は
■毎日晴れていること
■発電分を100%自家消費できること
が条件となります。
今度は太陽光を無視して蓄電池で計算をします。
325kWhを蓄電池で賄う場合、1日あたり
325kWh÷31日/30日(月によって変動)=10.48~10.83kWh
の容量を溜められる蓄電池が必要です。
10.48~10.83kWh以上の蓄電容量がある蓄電池は
■シャープ:13.0kWh
■京セラ:16.5kWh
■住友電工:12.8kWh
■オムロン(長州産業):12.7kWhあるいは16.4kWh
■カナディアンソーラー:13.3kWh
■ダイヤゼブラ電機:14.08kWh
■ニチコン(長府工産):14.9kWh
■ファーウェイ:15.0kWh
と数多く存在しますが、この計算では1日しかもちません。
最低3日以上の悪天候を乗り切りたい
と考えている場合は10.48~10.83kWhの3倍である
31.44~32.49kWh
の蓄電容量が必要です。
2024年現在、上記の容量がある蓄電池は家庭用では存在せず、業務用しかありません。
そのため、現状では太陽光+蓄電池のオフグリッド提案ができません…
オフグリッドを「する」のではなく「目指す」方がラクです。
オフグリッドのメリット
最大のメリットは
電気代がゼロ円になること
です。
電力会社と電力需給契約を結んでいないため、
■電気プランを選択する必要
■基本料金を支払う必要
もありません。
太陽光と蓄電池を導入して、電気代を
ゼロに近づける
ことはできます。
しかし、
ゼロにする
ことは絶対にできません。
理由は電力会社から電気を購入している以上、
基本料金が発生するから
です。
ここまでに何回もお伝えしていますが、オフグリッドは電力会社と契約をしないため
電気プランが存在しない
です。そのため、基本料金がありません。
家計簿から電気代の項目を除くことができます。
オフグリッドのデメリット
最大のデメリットは
大容量の蓄電池が必要なこと
です。
2つ前の単元でお伝えしましたが、市場に出回っている家庭用蓄電池で最大容量なのは京セラから出ている
16.5kWhタイプ
です。
電気の使い方によってはこの蓄電池で1日~1.5日生活をすることができますが、連日雨が降って太陽光パネルが稼働しなくなると何もできなくなります。
世間では
50kWhほどの蓄電容量
があれば
3日間停電
になっても大丈夫と言われています。
実のところ、蓄電池での実現が難しくても電気自動車で実現することは可能です。
日産から出ているリーフのバッテリーは
■40kWh
■62kWh
の2タイプ存在します。
62kWhのバッテリーを持つリーフであれば3日以上悪天候だったとしても生活できる容量があります。
しかし、この考えは電気自動車を蓄電池代わりにしている想定であるため、
日常使いは想定していない
です。日常使いもする場合は自家消費できる容量が少なくなりますため注意が必要です。
この使い方をする場合は、
■太陽光
■蓄電池
に追加してV2Hも必要になります。太陽光と蓄電池だけでは使えませんので注意してください。
電気自動車をずっと置いておく想定であれば、太陽光+V2H+電気自動車の組み合わせでも提案可能です。
オフグリッドではなく非FITがお手軽
オフグリッドの場合、悪天候で太陽光パネルが稼働していないとすると
蓄電池内の電気で自家消費分をカバー
する必要があります。そして蓄電池内の電気が無くなると
何もできない
です。
しかし、非FITであればその年度の売電単価を取得しないだけで、
電力会社と電力需給契約を結ぶこと
ができます。そのため、悪天候になったとしても電気を購入してそれを使えます。
今年度の売電単価は16円(家庭用10kW未満)ですが、この単価が最初から8.5円となります。
県や市町村から非FITに対しての補助金が出ているのであれば迷わず
非FITがおすすめ
です。しかし、補助金が出ていないとするとほとんどメリットがありません。
非FITに対して補助金を出している地域は
■神奈川県小田原市
■静岡県富士市
です。(まさひこ営業範囲のみ)
今後、非FITに対しての補助金を出す市町村が
増えていくのではないか
という話を商社から聞いています。
太陽光/蓄電池/V2Hを導入する際には販売店からの情報を鵜呑みにせず、自ら調べてみてください。
最後にひとこと
今回は「オフグリッド」について解説しました。
より詳しい説明を希望される方は優良店が多い
に登録されることをおすすめします。
価格比較サイトは入口が太陽光メインで蓄電池についてはオプションのサイトもあれば、
蓄電池メイン
で対応しているサイトもあります。
蓄電池の検討であれば蓄電池メインの比較サイト(エコ×エネの相談窓口)が断然おすすめです。